『BLUE GIANT』再読 2025

夕暮れの河原でサックスを吹く男性と雲の音符 漫画レビュー

今だから読み返した『BLUE GIANT』の1巻

『BLUE GIANT』は、第1部(2013年~)、『SUPREME』、『EXPLORER』、『MOMENTUM』と続く長編ジャズ漫画。作者は『岳』でも知られる石塚真一氏。

最新作『MOMENTUM』を最近読み終え、久々に作品世界に触れた。その流れで、1巻から読み直してみた。改めて読んだことで、考える事と思い出す事が。

2013年、震災の記憶もまだ生々しく残っていた時代に発表された1巻。夢を語る若者たちの姿が、当時とは違う角度で心に染みる。年齢を重ねた今だからこそ、大の言葉、姿勢が“現実と静かに向き合っている”ように見えた。

この作品を、これから何本かの記事に分けて語っていこうと思う。理由は単純で、「好きな漫画だから」。構えず、力まず、自然に読んで感じたことを文章にしていきたい。

河原で語られる“夢”に、ただ静かに共鳴する

ジャズプレーヤーを目指すと医大志望の友人に語る──『BLUE GIANT』1巻のあの河原のシーン。『MOMENTUM』まで読んだあとに改めてこの場面を読み返し、心に残った。

「羨ましい」という感情が。嫉妬ではない。ただ純粋に、夢と出会ってしまったこと、そして没頭できるものを見つけていることが、本当に素敵だと思った。お金や地位や恋愛とは違う、“これだ”というものに夢中になれること、没頭できる事がある、が羨ましい。

夢中になれる事で思い出した事

甲本ヒロト氏の言葉。THE BLUE HEARTS、THE HIGH-LOWS、そして現在も活動中のザ・クロマニヨンズのボーカルである彼が語ったことが印象に残っている。

2023年10月15日にTBS系列で放送された『まつもtoなかい』に出演した際、甲本氏はこう語った。

「夢っていうのは目的なんじゃないかなと思うんです。若い頃、バンドがやりたいと思った。それが夢だった。若い人は『バンドで有名になりたい』『バンドでお金持ちになりたい』とか2つ言うけど、一つにしとけ。夢は目的なんだと思う。僕は10代でバンドを始めた瞬間にもう夢は叶ってたし、今も続いているから、ずっと叶っているんです」

このトークがふと頭に浮かんだ。「うんうん、そうだった」と、どこか『BLUE GIANT』の“大”とも重なるような気がして──

そしてまた…

『BLUE GIANT』の作者・石塚真一氏が描いた『岳』では、登山とは“頂上を目指すだけ”ではなく、「その道中も登山そのもの」の話があった。

この視点こそが、夢を“達成するためのゴール”ではなく、“歩いている過程そのもの”として描いている理由なのだろう。だからこそ、私のように何かを見つけられないまま年齢を重ねた者に刺さる。

大と作品の素敵さ

全てを読み終えているが、年をとっても変わらない感情や、自分の状況が変わった事で伝わってくるものが違う箇所もある。いずれにせよグッとくる。
とても素敵で、気持ち良い。
私にはサウナに入って、水風呂!みたいなかなぁ 1巻は

まとめ:

この作品に出会えて、本当に感謝。

夢中になれること──そんな経験そのものが、どれだけ尊いことかを改めて考えさせられた。私は”これだ”という何かは無い。でも、『BLUE GIANT』を読むと、そういう何かがある人が本当に素晴らしいと。  「これなんだよな」と、。ただ羨ましい、でも気持ちは良い。

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『BLUE GIANT』再読 2025-2

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